はんなり小町

趣味の映画や小説について語ります。

友罪

映画 友罪 観てきました。

 

 

瑛太さん

生田斗真さん

佐藤浩市さん など

 

豪華キャストです。

 

 

見た感想を書いていきたいと思います。

 

 

まず、見終わった感想。

 

いい作品ではありました。

テーマは、加害者、被害者家族、記者、の様々な感情。

償い。それぞれの今後を考えさせるものです。

 

ただ、主観となる登場人物が多くて観客を置いて話が進みます。

今は誰の話をしてるの?

これは誰の過去の回想シーン?

どれが現在?

っと映画中何度も思いました。

 

過去のシーンだったり、急に違う人の話になったりと

正直中盤まで理解できずにいました。

原作を読んでいる方ならすんなり内容は入ってくると思いますが、未読の私にとってはなんのこっちゃ、、、。

 

なので原作を読んで見に行かれる事を強くお勧めします。

内容は素晴らしいのにほんともったいない。

前半の内容をもっと頭に入るような演出にしていただきたかったです。

 

 

さて、あらすじ

 

 

 

生田斗真さん演じる益田は元ジャーナリストを目指す雑誌編集者でした。

勤め先の上司と方向性の違いから退社し、寮付きの町工場で働くことに。

同じ日に瑛太さん演じる鈴木も一緒に働き始めます。

次第に2人は心を開いていくように。

 

鈴木は一人の女性と出会った。

彼女は元恋人に指示されAVに出演した過去があり、しつこく付きまとわれ自分の過去の動画を脅しに使われ続けているのだった。

 

 

その中、雑誌記者で益田の元彼女清美が現れる。

児童連続殺人事件について意見を求められることに。

清美と何回か顔を合わせて行くうちに、犯人が鈴木だと疑うようになっていく。

 

 

一方、

少年院で児童連続殺人事件の犯人を担当していた白石先生は、再犯の噂を聞き心を痛めていた。

その中、疎遠になっていた高校生の娘の妊娠を知り戸惑う。

 

 

一方、

佐藤浩市さん演じる山内は、10年前に息子が交通事故を起こし人の命を奪ってしまった。

償い続ける山内に妻から、息子が結婚しようとしていて子供を授かっていると聞かされ言葉を失う。

息子のために家族を解散させたのに、家族を作ろうとする息子に怒りを露わにするのだった。

 

 

 

 

 

あらすじ書いていてもわからんなるw

主に益田、鈴木、白石、山内4名それぞれの話になります。

 

 

そこに益田の元彼女や、鈴木の前に現れた女性、その元カレ、工場の同居人、益田の親友の両親、白石の娘、山内の家族、山内の息子が死なせてしまった被害者家族。

 

と複雑にそれぞれのストーリーが絡んでいきます。

 

 

 

 

以下、ネタバレ含みます。

 

 

 

 

 

 

劇中で連続児童殺人事件がクローズアップされるのですが、

その内容が実際にあった神戸連続児童殺傷事件に似てるんですよね。

 

みなさんは覚えていますか?

酒鬼薔薇聖斗

 

少年犯罪の法律を更新せざるおえなくなった事件です。

 

 

学校の門に生首が置かれ怪奇文章を新聞社に送りつけ、

 

さあゲームの始まりです。

 

と自身の存在を世間に知らしめ、男女2名の命を奪った15歳少年Aのことを。

 

 

 

私個人的に少年犯罪や連続殺人事件など犯罪心理に興味があり、昔から調べていたこともあって神戸連続児童殺傷事件の内容が頭に入っていたこともあり、内容が似ていることにまず頭が一杯になりました。

 

 

以下劇中の連続児童殺人事件の内容。

少年A14歳

仲の良かった男の子を焼殺。その後、自慰行為をする。

女の子を殺害

虫や動物虐待をするようになる。

 

 

実際あった神戸連続児童殺傷事件の内容。

少年A14歳

弟の友達でよく遊びに来てた児童を銃殺

その後、首を切断。射精する。

女児を殴って重傷を負わせ、のちに死亡

虫や動物虐待をするようになる。

 

 

全く一緒ではないですが、似ていませんか?

 

 

その他にも、少年院でいじめられていたことや

少年院の女性官にだけ心を開いていたり

絵が上手だったり。

 

 

この映画では母を昔に亡くし、そのせいで性的な発達が歪んだことになっています。

が、実際あった酒鬼薔薇事件も性的に歪んでいたことなどもあり、実際にあった事件と犯行や背景が似ていたこともありよりリアルに捉えられました。

 

 

 

益田は過去に親友がいじめにあっていたのに、自分もいじめられるのが怖くてお葬式ごっこを一緒にしていました。

親友の名前の色紙に

じゃあ。

と、お別れの言葉を書いたのでした。

その翌日に親友は自殺してしまいました。

 

益田は自分が親友を殺したんだと苦しむようになり、毎晩うなされ続けている。

 

 

益田の元彼女から児童連続殺人事件についてはなしをされてから鈴木を疑い始める。

鈴木がスケッチブックに描いていた女性が、犯人の少年院で担当していた女性官に似ている事、鈴木の幼少期の写真が、当時の犯人の顔に似ていることから、鈴木のことについて調べだすのだった。

 

鈴木の元友人や、鈴木が起こした事件の殺害現場を訪れる。

 

ある日、鈴木と同僚とでカラオケへ行く。

その際に鈴木の歌っている姿を動画を撮っていた。

 

 

益田は元恋人の清美と会い、鈴木の事を原稿に書き見せた。

その際に益田は清美に、

自分の彼氏が昔犯罪を犯していたらお前はどうおもうんだよ。

と問います。

すると、清美は

そんな人と付き合ったりしないし。

と答えるのでした。

 

益田は親友を殺したのは自分だと長年苦しんでいる中、この一言は辛かったのだと。。。

 

帰り際に、カラオケで撮った鈴木の姿が映った動画もみせている。

生きてるんだねー。

と清美がぽつりと呟いた。

 

元犯罪者がのうのうと歌って笑って生きていることが不愉快だと思わせるようだった。

 

 

 

数日後、週刊誌に少年Aの現在とスクープが載っていた。

そこにはカラオケをしている鈴木の写真が一緒に載っていたのだ。

目だけモザイクはかかっているが、みじかな人には鈴木だとわかる画像だった。

それは、

 

益田が撮っていた動画だったからだ。

 

 

同僚と鈴木が知り合った彼女も同席していたため、カラオケにいた人物はみんな少年Aが鈴木だとわかってしまったのだ。

 

 

益田は同居人の先輩から

これ、お前が書いたんだろ?

と言われて週刊誌を見せられ、雑誌に鈴木が載った事を知る。

俺じゃないです!!

と言い、急いで鈴木の部屋へ。

 

 

益田は鈴木に泣きながら謝る。

鈴木は

いいよ。友達だもん

っと言ったのだった。

 

鈴木は知り合った女性に

会いに行ってもいい?

と連絡するが、断られてしまう。

 

 

その後、鈴木は寮から姿を消したのだった。

 

 

 

益田は清美がいる雑誌編集局に訪れつめよるが、そこに清美の上司が横入りする。

清美と会って鈴木の動画を見せた時に、実は上司も離れたところに潜んでいて売れる記事を書くために、上司と清美は企んでいたのだ。

 

 

益田と鈴木はそれぞれ自分の過去の過ちを犯した場所に訪れていた。

 

 

 

と、ここで映画は終わります。

 

 

 

益田の葛藤している姿。

鈴木の出所後の心境。

 

 

この映画を見ていて、私も仲良くしていた友達が元犯罪者だとわかった時にどんな反応をするのかなと思いました。

 

益田はわかっていても、友達だと接していました。

でも、鈴木のことが好きだった彼女や、同僚からは見放されてしまいました。

 

週刊誌を見た赤の他人からは、こんな子が息子だとおもうと、、、

と言われていました。

 

 

凶悪事件や殺人事件などニュースが毎日撮りだたされますが、怖いなーと思って見てしまうのが実際の所です。

 

その中で更生して生きて行くすがたがまさに鈴木でした。

殺してくれよ

というシーンもありました。

 

でも、結局は自殺することを諦めたのだった。

 

 

鈴木が彼女にキスされるシーンがあったのですが、鈴木は何も言わないまま家を出るのでした。

このシーンを見て私は性的に何か歪んでるのかなと思いました。

 

実際に、男児を殺害した時に自慰行為をしていたと劇中で言われてましたね。

 

 

少年院を出て何年経っても、一般で言う普通の性的行為が女性と出来ないと言うのは鈴木にとっても今後悩まされるものだと思います。

通常になっていけるように更生する施設や、治療法が今後できれば、現実社会でも再犯が減って行くのかなと思いました。

 

 

 

そして、息子が交通事故で人を殺めてしまった山内の話です。

 

 

山内が事件後も被害者家族に頭を下げに行っている姿がありましたが、

加害者家族からは

 

あんたが来るたび思い出すんだよ。

もう忘れたいんだよ。

通帳にあんたの名前で振り込まれてるのを見るたびに、あんたのお金で生かされてると思うと悔しい。

あんた何もわかってない。

 

と。

 

仕事現場に加害者のお父さんがお酒飲みながら仕事終わりを待ってはるシーンもあり、

加害者のお父さんからは

 

息子をかえしてください。

と泣きながら訴えられる山内。

 

 

義理のお兄さんにも世話をかけて申し訳ないと頭を下げる山内の姿。

しかし、義理のお兄さんには

 

やめてくれよ。

あんた頭下げるのになれちまってんだよ

と言われる。

 

 

山内は償いとして家族を解散させたのだ。

解散しようと言った時に、妻が嬉しそうにしたように見えたと。

自分は被害者家族と面会し続け償い続けてるのだと。

 

 

その中で自分の息子と会い、結婚相手の紹介をされる時に反対をする。

人を殺めてるお前が、子供を産むなんてと。

 

婚約相手の女性は

罪を犯した人はしあわせになってはいけないんですか?

 

 

償いとはなんなのでしょうか

 

 

幸せにならないことが償い?

いろんな価値観がみられました。

 

 

結婚式に乗り込み中止させる勢いだった山内ですが、その場は納められてしまうのでした。

 

 

その後、息子から直接泣きながら電話がかかってきて。

子供は妻の体でスクスクと育ってるよ。

お父さんがしてきた事全部自分でやるからと。

 

山内はそうかと電話を切るのでした。

 

 

 

息子への怒りがなくなった瞬間だったのでしょう。

 

 

 

加害者の家族についてよく本で読んでいたのですが、どう償うかが本当に課題になってくると思います。

被害者遺族に許しを得ることなどできはしないけれども、どう接していけばいいのか自分の息子が交通事故で殺めてしまったとなると自分はどう償うのか。

そう考えさせられました。

 

佐藤浩市さんの葛藤する父役素晴らしかったです。

 

 

 

そして、もう一人のストーリー。

白石は、少年院で更生させる先生として犯行後の鈴木と接してきました。

長年鈴木と向き合ってきた白石は、出所後再犯したと言う噂を聞き心配していました。

 

そんな中、鈴木から白石にコンタクトがあり会うことに。

 

 

鈴木は、楽しそうに話をします。

白石はそんな鈴木に

よかったね。すごいね。

と褒めます。

 

その度に鈴木は真顔になります。

鈴木はそんな反応を求めていたわけではないと言うように笑っていた表情を真顔に変えるのです。

 

 

白石が喜ぶだろうなと思うような話を楽しそうにします。

本当なのか、嘘なのか内容はわかりませんが、、

 

 

鈴木は白石にどう接して欲しかったんだろうと。

今でもわたしにはわかりません。

 

 

 

白石は、娘がいるのですが鈴木の事をばかり気にかけていて娘とは疎遠状態でした。

 

ある日、娘から呼び出されます。

 

 

サインしてほしい用紙があると。

その内容はとは、避妊手術の手続きの同意書でした。

 

白石は

相手は?お父さんには?

と質問ぜめをします。

 

娘は、

それが言えないからわざわざ他人のあんたに書いてもらいにきたんだよ

あんな怪物ばっかり相手にしてさ。

と言うのです。

 

怪物とは鈴木の事だと思います。

なかなかサインを書かない白石を見て、娘は同意書を奪って去って生きます。

 

 

その後を追えない白石、、、

 

 

 

そして、ある日携帯に電話がかかってきます。

娘の避妊手術をした病院からでした。

 

その時、少年院の中で問題がおきます。

が、どうしても行かないといけないの。

と白石は仕事ではなく、初めて娘を優先さしたのでした。

 

 

病院に着くと、手術を終えていた娘が。

 

白石は、

お腹の子3カ月だったんだね。

ほんとは産みたかったんでしょう?

と、問いかけます。

 

娘は

もう(お腹に)いなくなったんだよね。

と言いながら泣いていました。

 

白石はそんな娘を抱きしめます。

娘は、

今更遅いよ。

遅すぎるよ。

と、泣きながら白石のことを抱きしめ返すのでした。

 

 

 

 

それぞれのストーリーが見れる作品です。

内容は本当に素晴らしいので、

もう一度全てを知ってから、映画館に足を運びたいと思います。

 

 

内容が気になりすぎて、原作買っちゃいましたw

 

 

ヒューマンストーリー素晴らしいです。